国語が苦手な子が文章を読みながら、そこで使われている漢字書き取りや、抜き出しのトレーニングのできる教材です。読みながらで重要な対義語を学ぶこともできます。

せんせい
今回は、「自然と人工」について学びましょう。文章素材は「せんせい」の文章なのでコピペしてご活用いただけます。
問題 次の文章を読んで、後の問いに答えなさい。
「自然」の対義語は「人工」です。
この二つの言葉の関係を考えると、人間が世界をどう見てきたのかがよく分かります。そして、この二つは文化論の文章でよく登場します。
ヨーロッパの文化の根底には、「自然は人間が支配し、管理するものだ」という発想があります。その象徴が、石で囲まれ、左右対称に整えられた幾何学的な庭園です。フランスのヴェルサイユ宮殿の庭を思い浮かべてください。木々は刈り込まれ、道は直線的に伸び、水路や噴水は設計図どおりに配置されています。そこでは自然は「そのままの姿」ではなく、人間の理性と技術によって作り替えられた存在になっています。自然は、人の支配の下に置かれているのです。
こうした発想の背景には、ヨーロッパの自然環境があります。寒さや乾燥、土地のやせた地域では、自然は放っておくと人間の生活を脅かします。だからこそ、人は自然を切り開き、囲い込み、コントロールしようとしてきました。自然に勝つことが文明の進歩だと考えられてきたのです。
それに対して、日本の文化はまったく違う方向を向いています。
日本では、自然は災害をもたらすこともありますが、同時に、四季の変化とともに豊かな恵みを与えてくれる存在でもありました。雨が降り、川が流れ、山が木を育て、その木が人の暮らしを支える。自然は敵というより、「共に生きる相手」だったのです。
この考え方がよく表れているのが、日本庭園です。日本庭園は、自然を押さえつけるのではなく、自然らしさを生かすことを大切にします。その代表例が枯山水(かれさんすい)です。枯山水では、水を使わずに、白い砂や石だけで川や海を表現します。砂に引かれた波の模様は水の流れを表し、石は山や島を表します。そこにあるのは、本物の自然ではありません。しかし、それは自然を「人工で置き換える」ためではなく、「自然の本質を感じ取る」ための人工なのです。
さらに、日本には「借景(しゃっけい)」という考え方があります。これは、庭の外にある山や森、空の景色を庭の一部として取り込む技法です。庭を塀で閉じて完結させるのではなく、外の自然をそのまま「借りて」庭に含めてしまう。人が作った空間と、もともとある自然の境界を、あえてあいまいにするのです。
ここに、日本の「自然と人工」の関係がはっきり表れています。
日本人にとっての人工は自然をねじ曲げるための道具ではなく、自然と調和し、自然を感じるための装置なのです。一方、ヨーロッパの庭園では、自然は壁の内側に閉じ込められ、人間の計画に従って並べ替えられます。自然は外へと開かれ、人間の空間の中に溶け込んでいく日本の庭園とは対照的です。
自然を支配するか、自然と共生するか。枯山水と借景は、日本文化が選んだ答えを静かに語っています。
漢字トレーニング

せんせい
次の【 】内の読みを、漢字で書いてみよう! 本文で使われている言葉だから、分からない場合は、本文から探して写してもいいよ!
① 人間の思い通りに整える【しはい】の発想。
② 人の【いし】がはっきりと見える空間。
③ 自然と【きょうせい】する。
④ 四季の【めぐみ】。
⑤ 建物を【はかい】する。
⑥ 石と砂で自然を【ひょうげん】する。
⑦ 遠くの山や木々を庭の一部として【とりこむ】技法だ。
⑧ 【きょうかいせん】があいまいだ。
⑨ 自然を感じさせるための【そうち】。
⑩ 白と黒は【たいしょうてき】な色だ。
① 支配
② 意思
③ 共生
④ 恵み
⑤ 破壊
⑥ 表現
⑦ 取り込む
⑧ 境界線
⑨ 装置
⑩ 対照的
読みの超基礎トレーニング

せんせい
本文を見ながらそのまま書き写しましょう。
「自然」の対義語は「[① ]」です。
この二つの言葉の関係を考えると、[② ]がよく分かります。そして、この二つは文化論の文章でよく登場します。
ヨーロッパの文化の根底には、「[③ ]」という発想があります。その象徴が、石で囲まれ、左右対称に整えられた幾何学的な庭園です。フランスのヴェルサイユ宮殿の庭を思い浮かべてください。木々は刈り込まれ、道は直線的に伸び、水路や噴水は設計図どおりに配置されています。そこでは自然は「そのままの姿」ではなく、[④ ]になっています。自然は、人の支配の下に置かれているのです。
こうした発想の背景には、ヨーロッパの[⑤ ]があります。寒さや乾燥、土地のやせた地域では、自然は放っておくと人間の生活を脅かします。だからこそ、人は自然を切り開き、囲い込み、コントロールしようとしてきました。[⑥ ]だと考えられてきたのです。
それに対して、日本の文化はまったく違う方向を向いています。
日本では、自然は災害をもたらすこともありますが、同時に、[⑦ ]でもありました。雨が降り、川が流れ、山が木を育て、その木が人の暮らしを支える。自然は敵というより、「[⑧ ]」だったのです。
この考え方がよく表れているのが、日本庭園です。日本庭園は、自然を押さえつけるのではなく、[⑨ ]を大切にします。その代表例が枯山水です。枯山水では、水を使わずに、白い砂や石だけで川や海を表現します。砂に引かれた波の模様は水の流れを表し、石は山や島を表します。そこにあるのは、本物の自然ではありません。しかし、それは自然を「人工で置き換える」ためではなく、[⑩ ]なのです。
さらに、日本には「借景(しゃっけい)」という考え方があります。これは、庭の外にある山や森、空の景色を庭の一部として取り込む技法です。庭を塀で閉じて完結させるのではなく、外の自然をそのまま「借りて」庭に含めてしまう。[⑪ ]を、あえてあいまいにするのです。
ここに、日本の「自然と人工」の関係がはっきり表れています。
日本人にとっての人工は自然をねじ曲げるための道具ではなく、[⑫ ]なのです。一方、ヨーロッパの庭園では、自然は壁の内側に閉じ込められ、人間の計画に従って並べ替えられます。自然は外へと開かれ、人間の空間の中に溶け込んでいく日本の庭園とは対照的です。
[⑬ ]。枯山水と借景は、日本文化が選んだ答えを静かに語っています。
「自然」の対義語は「①[ 人工 ]」です。
この二つの言葉の関係を考えると、[② 人間が世界をどう見てきたのか ]がよく分かります。そして、この二つは文化論の文章でよく登場します。
ヨーロッパの文化の根底には、「[③ 自然は人間が支配し、管理するものだ ]」という発想があります。その象徴が、石で囲まれ、左右対称に整えられた幾何学的な庭園です。フランスのヴェルサイユ宮殿の庭を思い浮かべてください。木々は刈り込まれ、道は直線的に伸び、水路や噴水は設計図どおりに配置されています。そこでは自然は「そのままの姿」ではなく、[④ 人間の理性と技術によって作り替えられた存在 ]になっています。自然は、人の支配の下に置かれているのです。
こうした発想の背景には、ヨーロッパの[⑤ 自然環境 ]があります。寒さや乾燥、土地のやせた地域では、自然は放っておくと人間の生活を脅かします。だからこそ、人は自然を切り開き、囲い込み、コントロールしようとしてきました。[⑥ 自然に勝つことが文明の進歩 ]だと考えられてきたのです。
それに対して、日本の文化はまったく違う方向を向いています。
日本では、自然は災害をもたらすこともありますが、同時に、[⑦ 四季の変化とともに豊かな恵みを与えてくれる存在 ]でもありました。雨が降り、川が流れ、山が木を育て、その木が人の暮らしを支える。自然は敵というより、「[⑧ 共に生きる相手 ]」だったのです。
この考え方がよく表れているのが、日本庭園です。日本庭園は、自然を押さえつけるのではなく、[⑨ 自然らしさを生かすこと ]を大切にします。その代表例が枯山水です。枯山水では、水を使わずに、白い砂や石だけで川や海を表現します。砂に引かれた波の模様は水の流れを表し、石は山や島を表します。そこにあるのは、本物の自然ではありません。しかし、それは自然を「人工で置き換える」ためではなく、[⑩ 自然の本質を感じ取るための人工 ]なのです。
さらに、日本には「借景(しゃっけい)」という考え方があります。これは、庭の外にある山や森、空の景色を庭の一部として取り込む技法です。庭を塀で閉じて完結させるのではなく、外の自然をそのまま「借りて」庭に含めてしまう。[⑪ 人が作った空間と、もともとある自然の境界 ]を、あえてあいまいにするのです。
ここに、日本の「自然と人工」の関係がはっきり表れています。
日本人にとっての人工は自然をねじ曲げるための道具ではなく、[⑫ 自然と調和し、自然を感じるための装置 ]なのです。一方、ヨーロッパの庭園では、自然は壁の内側に閉じ込められ、人間の計画に従って並べ替えられます。自然は外へと開かれ、人間の空間の中に溶け込んでいく日本の庭園とは対照的です。
[⑬ 自然を支配するか、自然と共生するか ]。枯山水と借景は、日本文化が選んだ答えを静かに語っています。

せんせい
受動って言葉は英語の勉強にもつながるんだね!
演習問題
問1 本文をもとに、「ヨーロッパの自然観」を「支配」「理性」という語を用いて30〜40字で説明しなさい。
自然を人間が支配し、理性と技術によって管理・改変するものと考えている。
問2 本文をもとに、「日本の自然観」を「四季」「共生」という語を用いて30〜40字で説明しなさい。
自然を敵ではなく、四季の恵みを与える共生する存在としてとらえている。
問3 本文中で筆者が日本人の自然観を象徴する具体例として取り上げているものを二つ抜き出しなさい。
枯山水、借景
問4 (要約問題)本文の内容を、八十字程度でまとめなさい。
ヨーロッパは自然を支配し管理する文化をもち、日本は自然と調和し共生しようとする文化を育んできた。

