群馬県の公立高校入試の理科は、2025年度入試では平均点が大きく動くような極端な難化はありませんでした。平均点は54.5点(前年57.5点)。ただ、出題形式には受験生の「情報処理能力」を問う明確な変化が現れました。心水塾(本部・前橋市)の教務部次長・大井泉さんに最新の入試傾向などを伺いました。
対話形式の長文化で読解力が問われる
今年度の大問数は5題。設問数は42問と昨年より3題減少しましたが、問題用紙を開いた受験生がまず驚いたのは、その「文字の多さ」でしょう。「大問2以降のすべての問題で『会話形式』が導入されました。以前のような一問一答形式の短文ではなく、先生と生徒の会話文という文脈の中で知識を問うスタイルが定着しました。これにより、理科の知識以前に、膨大な情報から必要な条件を抜き出す『読解力』が不可欠な試験になっています」と大井先生は分析します。
また、一つの大問の中に二つの単元が組み込まれるなど、形式上の変更もありました。

全国的な入試トレンドとして、理科の知識を環境問題や身近な自然現象と結びつける出題が増えています。
「群馬県はまだ実験・観察にもとづいた出題が中心ですが、今後は間違いなく日常生活や環境問題にリンクした問題が増えるでしょう。現時点では奇をてらった難問は少なく、教科書やワークの典型問題をどれだけ完璧に仕上げているかが、依然として勝敗を分けるポイントです」
特に今年度は「大地の変化」や「化学変化と質量」の単元で難易度の高い設問が見られましたが、これらも基礎を応用する力が備わっていれば対応可能な範囲内でした。
2026年度は、ここ2年出題されていない『電流と磁界』『エネルギーと仕事』『気象の観測』などが狙われやすいと考えられます。これらの単元は苦手とする受験生も多いため、早めの対策をしておきたいところ。
理科の得点を安定させるためのアクション
理科で高得点を安定させるために、今すぐ始めるべきアクションです。
「なぜ?」をセットで覚える定型記述対策
記述問題は比較的易しい典型問題が多いのが群馬の特徴です。とはいえ、実験の結果だけを覚えるのではなく、「なぜそのような結果になったのか」という理由をセットで書き出す訓練をしましょう。そうすることで、応用力や本番での対応力につながります。
科学的な視点でニュースを見る
環境問題など、世の中で起きていることを科学の視点で捉える力が求められています。日頃から新聞やニュースに触れ、「これにはあの科学の法則が関係しているのでは?」と考える習慣が、初見の入試問題に対する思考力を養います。

